『パン屋のムラタさん』
このチャンネルでは、パンに関する事、材料、器具などについて
ムラタが思った事をアップしております。
毎週月曜日〜水曜日に週一位の頻度ですが、動画をあげております。
今回の動画はドライフルーツについてです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
真逆な事をする。
サクッとしているハード系が食べたい時がある。
食パンに例えるなら、国産小麦、湯種で、生でも食べれる生食パンですよー。
みたいなパンではなく。
トーストしたらサクッと歯切れのいい『神戸の山食ですよー』みたいな
『イスズの山食』みたいな食パンだ。
これを言って通じるのは、神戸の人か、パン好き位かも知れないのだが、
イスズの紹介になってしまうのも何だか怖いので、話を本題に戻そう。
サクッを口に放り込みたくて、カンパーニュをトーストして食べた無骨な朝食のカバー写真だ。このサクッとした食感は、低加水とライ麦配合による、生地内の水分の奪い合いによって作られるのだ。
小麦粉も水を吸いたくて、
ライ麦粉の食物繊維も水を吸いたがる
この焼ける前の生地中の水の取り合いが
焼けた後のリベイクした時の全体のサク味と、瑞々しさを復元させるのだ。
リベイクした時に、ライ麦の方に取られていた水分が放出される。
その放出水分が、小麦の老化澱粉の再アルファー化に使われる。
タンパク質の繋がりの少ないライ麦が歯切れの良さを表現する。
お互いの良さを出し合うパンだ。
このメイン生地に巻き込んでみたのが、
ふさの状態のオレンジのドライフルーツだ。
パン屋が使う柑橘系のドライフルーツは、
吸水させる事を起こし辛い状態になっている事が多い。
ストローを輪切りにしたようなカット形状が
多いのだ。
そのほうがドライにする為に、水分を飛ばしやすいからだろうか。
この水分を飛ばしやすい柑橘系のドライフルーツを固定概念で持っていたムラタは、
ふさの状態の(輪切りにされていない状態の)オレンジのドライを見て想像力が全開になった。
この干からびさせたオレンジに、
生地の水分を取らせたい。
っと。
ドライフルーツを生地中に入れる場合、
よくある手段として、洋酒などで水分を吸わせて、ドライ感をセミドライ感位まで戻して生地中に入れる方法だ。
これだとドライフルーツがふっくらとしてジューシーなのだ。
でも今回のこの動画中で使っているドライオレンジは、一般的なやり方とは真逆を行ってみた。
ドライのまま入れて、生地の水分を吸わせてしまおうという手段だ。
表向きな言い方は、このような感じになるのだが。
裏向きな言い方は、面倒臭いからそのまま入れたら、何だか美味しい。っというのが本当なのだが、聞き応えがいいので、表向きな言い方で今後は言おうと思う。
今回のオレンジのドライフルーツを買わせて頂いたいのは、山梨のみやさか食品さんだ。
今年の夏は使用するドライフルーツを色々と新しく取り入れてみようと思う。
来る秋。
その時に何を作っているのか。
今の自分の延長線にある秋である。
#神戸 #パン #ハード系 #boulangerie
店舗情報はこちら
https://maisonmurata.com/